160828_1152~01
comment 0

線香花火を作りました。

27日の線香花火作り体験会。
お申し込み多数だったので、翌日もお願いして2日間開催しました。

いや、楽しかった♪
自分で花火を作れるなんて。

貴重な体験だったので、詳しくレポートします。

ーーーーーーーーーーー

教えてくれたのは、山梨県の「丸屋」佐々木厳さん。
まだ32歳の若き花火師さんです。

160828_1152~02

昔ながらの「和火」にこだわり、
原料もできる限り自分で調達しているそう。

160828_1151~01
これは煤の原木と、硫黄の結晶。

煤の原木は、松の切り株を20〜30年間(!)雨にさらしたもの。
ヤニが中心に集まっていないといいものが採れないとか。

障子を張った専用の部屋で原木を燃やし
黒い煙が天井に溜まって煤になり…

実際に火をつけて煙を見せてくれました。
2キロの原木を燃やして、わずか40gの煤が採れるんだそう。
なんて貴重な!

硫黄は自分の足で雪山へ行き、岩から削り出したもの。
とっても綺麗。

線香花火の火薬の原料は、
木炭(煤)・硫黄・硝酸カリウムのたった3種類。
この微妙な配合比で、
色の濃淡、線の太さ・細さ、火の強弱を変えているそう。

ーーーーーーーーーーー

今回は、厳さんが用意してくれた調合済みの火薬を
和紙に包む作業から体験させてもらいました。

160828_1150~01

一口に「包む」といってもこれが難しい!
まずは「こより」の練習から。

厳さんが100種類以上の和紙の中から選び抜いたのは、美濃和紙。
とにかく薄くて丈夫。
薄いピンクは、ご自分で茜で染めたそう。
どこまでも手作りなんですね。

厳さんがこよりを作ると
細い先端(ピンク色の部分)をつまんで上に向けて立ててもピンと立つ。
しっかり空気が抜けて、紙が締まっている証拠。
思わず「おお〜っ」と歓声。

28日の様子

火薬の量は0.08g。
専用の道具で、摺り切り1杯。
薄い和紙の上に乗せて
なるべく空気を追い出すように筒状に包みます。

火薬の部分が包めたら
首の部分をしっかりと絞ります。
ここがちゃんと絞れていないと
空気が入って火の玉が落ちやすくなるそう。

あとはこよって完成です。

ーーーーーーーーーーー

初日の夜、懇親会参加者の皆さんが
お手製の花火をさっそく披露してくれました。

初めに作った作品は、
火がついて、あれ?!というほど大きな火が出て
あっという間に終わったり、
いい感じに始まってもポトリ、と落ちたり。

でもだんだんコツを掴んでからの作品は
ちゃんと花火らしく楽しめました♪
この手作り感ががなんとも嬉しい。

そして、厳さんの花火はさすが!

DSC00248

火の変化を花の一生に例えると、

蕾が出来て、

花が開いて、

しおれて散る。

火の変化がはっきりと見えて、魅入ってしまいました。
当たり前のように見ていたけれど、これはすごいことだなと。

作る工程はいたってシンプル。
でもいい火花を出すためには…

線香花火、奥が深いです。

ーーーーーーーーーーー

厳さんの夢は、和火の打ち上げ花火を作ること。

独立以前に勤めていた花火会社では、
打ち上げ花火の品評会でかなりいい成績を残したことも。
カラフルで華やかな「洋火」の世界でも活躍されていたんですね。

でも色々な心の葛藤もあったりして、
「なぜかぽっかり心に穴が空いたような気がして…」

その頃に強く心惹かれたのが和火だったそう。

鎮魂、ご神事、お祝い事。
和火は人の世の憂いや穢れを祓い清め、
祝福する役割を担うもの。

「時代遅れ」とされる和火一本に打ち込むため、
独立を決意したのが6年前…

そんな厳さんの人生のお話も、心に沁みました。

カラフルで華やかな花火もいいけれど。
浮世絵にも描かれた、侘び寂びの打ち上げ花火。
しかも厳さんの手作りの和火。
いつか観たいです。

ーーーーーーーーーーー

作る過程や、背景を知ること。
作り手の想いや人柄に触れること。

そのクオリティーの高さがわかったり、
ただの「モノ」や「商品」ではなくなる感じ。
血の通ったストーリー。
温かみのある作品。

やっぱりいいなぁ、と思いました。

厳さん、参加者のみなさま。
ありがとうございました。

ぜひまた来年も企画したいです。

写真㈰

●「丸屋」和火師・佐々木厳HP
http://www.wabisi-gen.com

佐々木厳さんの線香花火は、中川村でも買えます。

●宅配・移動販売の八百屋「たろう屋」
399−3802 上伊那郡中川村片桐2877-4
電話:0265-88-4111
Facebook:https://www.facebook.com/miyataroya

Leave a Reply